乞食松地蔵尊(横浜市港北区鳥山町)
2021.09.04[ 史跡・公園等 ]
天保の大飢饉にまつわる逸話が残るお地蔵さま
乞食松地蔵尊(横浜市港北区鳥山町)
天保の大飢饉による犠牲者を弔うために植えられた松が起源と伝わる「乞食松地蔵尊(横浜市港北区鳥山町)」。
『港北百話』という本に中に「乞食松」という項目があり、その中で詳しく触れられているようなのですが、原文は見つからず。ネットの情報をもとに簡単にまとめてみました。
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江尾時代後期の天保の大飢饉の際、この地域でも多くの人々が餓死しました。亡くなった人々を弔うために、死者を埋めた場所に墓標として松の木を植えたのだと云います。はじめは「死人松」と呼ばれていました。
その後ほどなくして一人の乞食僧がこの松のあった鳥山川沿いに住み着き、村内で功徳を説いていましたが、亡くなる直前に「我れ虫歯に悩むこと積年である。後世同じ病を患う者、我を祈らば正に利益を与えるてあろう。」と言い遺したと云います。この僧が亡くなった後、村人は死人松のところに埋め、地蔵尊を安置して手厚く葬ったそう。
その後このお地蔵様にはご利益があるという噂が流れ、特に虫歯には霊験あらたかだと云われるようになったと伝わっています。
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かつては横浜線が小机方面から新横浜方面へ向けて鳥山川を越える手前のすぐ右手にあったのですが、戦後(昭和39年頃)鳥山川の護岸改修工事により松は伐採され、地蔵尊は現在地に遷されました。現在も地蔵尊脇に松の木があるのですが、こちらは二代目なのだそう。
こういう民間伝承は、後世に末長く残していきたいですね。
最寄駅は、JR横浜線「新横浜」駅、もしくは「小机」駅。どちらからも、徒歩約15分ほど。
左側は、鳥山川。
覆屋の中。
MAP
神奈川県横浜市港北区鳥山町1270