刺抜稲荷大明神
2019.12.26[ 神社 ]
新田義興の家臣が主君の霊を弔うために建立したと伝わるお稲荷さま
刺抜稲荷大明神
鎌倉古道・稲荷坂に鎮座するお稲荷さま「刺抜稲荷大明神」。
新田義興の家臣が、主君の霊を弔うためにお堂を建てたのが起源と伝わっています。
「由来記」と書かれた石碑には、以下のように記されています。
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今から六五五年前国内は南朝北朝に分れ戦乱の世となりましたこのとき南朝の雄新田義貞公の弟義興公が鎌倉攻めにあたり多摩川の矢口渡しにおいて不遇の死を遂げられたので家臣であった田中家の先祖がこの地に土着して主君の霊を弔うお堂を建てたのが創まりと伝えられています
尓来一族のシンボルとして今日に至りましたが日頃参詣参拝される多くの信者さんからは霊験あらたかなおいなりさんと親しみ愛され崇敬されてまいりましたこのたび老朽のため建替えにあたりここにルーツの概要を刻み遙か昔を偲び向後の資とします。
平成四年四月吉日(一九九二年)
田中家
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新田義興が亡くなったのは1358年と云われていますから、(2019年時点で)660年以上前に建てられたということになります。ちなみに石碑には「新田義貞公の弟義興公」とありますが、一般的には新田義興は「新田義貞の次男」と言われています。
この祠の横の坂はこちらの祠にちなみ「稲荷坂」と呼ばれるようになったそう。またこの道はかつての鎌倉街道。この道を東に進んでいくと、後三年の役の際の逸話が残る「勢揃坂」へと繋がります(一部は既になくなっていますが)。
最寄駅は、東急東横線「祐天寺」駅。徒歩5分ちょっと。