穂積稲荷祠(世田谷区桜上水)
2024.01.16[ 神社 ]
鈴木左内家の歴史を今に伝えるお稲荷さま「穂積稲荷祠(世田谷区桜上水)」。
戦国時代に後北条氏の家臣だった鈴木左内家は、後北条氏の敗戦後にこの地で帰農し、江戸時代には上北沢村の名主でした。鈴木家はかつて穂積姓を名乗っていたということで、それを後世に伝えるために鈴木家の邸内(現在の日本大学文理学部キャンパス)に祀られた稲荷社がこちらの起源と伝わっています。
祠の脇に掲示されている案内板には、以下のように記されています。
==========
旧上北沢村の名主であった鈴木左内家の祖は平安時代末期、源義朝に仕え、古来名門「穂積」姓の使用を許された。
穂積家の始祖は神話時代「日本書紀」に登場する「饒速日命」(にぎはやひのみこと)といわれ、神武天皇の時代に「穂積」の姓を賜ったとされる。
鈴木家では由緒ある「穂積」の名を残そうと邸内に守り神として「穂積稲荷」を建立した。
昭和初期まで鈴木家の敷地であった日大文理学部校内に祭られていたが、その後鈴木左内邸(現緑丘中学)の奥座敷に移された。さらに昭和三十年、鈴木邸の前庭(現早苗保育園内)に移築された。
平成二十六年、保育園内「江戸城御囲い松」の兄弟松群が世田谷区の地域風景資産に指定されたのを機に新社殿に改築された。
社会福祉法人 早苗会
==========
鈴木家は植木職人として江戸城に出入りしていたそうで、江戸城の整備の際に松の苗木を納入、それと同じ苗木から育ったのが現在保育園にある松の木ということなのだそう。
最寄駅は、京王電鉄京王線「桜上水」駅。
保育園の所有地内にお祀りされており、(草木が茂っていて)外部からはほとんど確認できません。保育園の脇からちらっと見える程度です。
案内板。
こちらが「江戸城御囲い松」の兄弟松と伝わる松の木。
MAP
東京都世田谷区桜上水3丁目18−12