大麻止乃豆乃天神社(稲城市大丸)

2022.06.01[ 神社 ]

大麻止乃豆乃天神社(稲城市大丸)

延喜式内社「武蔵国多摩郡大麻止乃豆乃天神社」の有力論社 大麻止乃豆乃天神社(稲城市大丸)

延喜式内社「武蔵国多摩郡大麻止乃豆乃天神社」の有力論社「大麻止乃豆乃天神社(稲城市大丸)」。読みは、「おおまとのつのあまつかみのやしろ」あるいは「おおまとのつのてんじんしゃ」。

創建年代は不明ですが、延喜式神名帳にある「武蔵国多摩郡大麻止乃豆乃天神社」がこちらの神社であると云われています(論社のひとつ・同じく論社とされているのは武蔵御嶽神社)。江尾時代には「丸宮明神」あるいは「丸山明神」と称されていましたが、明治期に現在の「大麻止乃豆乃天神社」に改称されました。

社名については、同じ御祭神(櫛真智命)を祀る「天香山坐櫛眞命神社」について延喜式神名帳に『元名 大麻等乃智神』とあり、御祭神の名に因んで/あるいは天香山神社に因んで名付けられたという説と、古多摩川の潟湖だったこの地が「大きく丸い平地」(おおまと)にある「津」(港・船着場)であることから「おおまと」(これが転訛して現在の大丸(おおまる)になったとも)の「津」の「天津神(櫛真智命は天津神)を祀る社」ということで「おおまとのつのあまつかみのやしろ」となった、という説があります。個人的には、後者はやや苦しいかな、と感じますが、しかしいずれにせよ武蔵国の国府(府中)から最も近い場所にあった多摩川の津であったことは事実で、古い時代には水運が中心だったことも踏まえると、この場所に古くから大和朝廷の影響が及んでいた(天津神が祀られているということ)というひとつの証左と言えるのかもしれませんね。

神社正面にある稲城市による案内板には、以下のように記されています。

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延喜式神名帳所蔵の武蔵国多摩郡大麻止乃豆乃天神社とある祭神は、櫛真知命であり、境内には、津島神社、白山神社、神明神社、稲荷神社、秋葉神社を祀っている。
祭礼は、天王様祭礼が7月中旬、風祭りが9月1日、秋の祭礼が10月初旬に行われる。江戸期の資料には「丸宮社」という記載が見える。

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御祭神は、上記の通り櫛真智命と云われています。

現在は中野区にある神明氷川神社の兼務社となっているようです。

最寄駅は、JR南武線「南多摩」駅。徒歩約6・7分ほど。

神社外観。

社標。

石段前の鳥居。

最初は上へ、その後は奥へと続く石段。

緑に囲まれた参道を進むと、拝殿が見えます。

拝殿。

境内社。左から、合社殿(白山神社・神明神社・稲荷神社)、稲荷社、津島神社。

境内社の秋葉神社。

MAP

東京都稲城市大丸847

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