牛天神北野神社
2017.09.21[ 神社 ]
小石川の「牛天神」・貧乏神が転じて福の神となった逸話が伝わる末社も見処
牛天神北野神社
1182年、源頼朝がこの地で松の木に船を繋ぎ、波風が収まるのを待っていた際に、夢に牛に乗った菅原道真公が現れ、2つの幸運が起こること、そしてその暁には社殿を造るよう告げたと云います。夢から覚めた頼朝の傍には、夢の中で見た牛に似た石があったそう。この後頼家が産まれ、また翌年に宿敵平氏一族を京から追い落としました。
これをもって頼朝は霊夢を見た当地に大宰府天満宮の御分霊を勧請し創建したのが「牛天神北野神社」と伝わっています。
当初は現在地より東にあったそうですが、水戸藩邸(現在の小石川後楽園)が造られた際に現在地に遷座しました。
御祭神は菅原道真公。
最寄駅は東京メトロ丸ノ内線・南北線 「後楽園」駅。徒歩5分ほど。
末社の太田神社・高木神社の合祀殿。
大田神社は、もともと貧乏神と言われた黒闇天女(弁財天の姉)を祀っていたと云われています。
江戸時代、この地に暮らす旗本が、不幸はないながら、貧乏に苦しんでいました。そんなある夜、夢の中に貧乏神が現れ、「長い間この家にいたが、他所へ遷ることにした。三日の内に赤飯と油揚げを供えて祀れば、礼として福徳を授ける」と告げられ、旗本がその通りにすると、それ以降すべてがうまくいき、豊かになったそう。この旗本は貧乏神に感謝して神像を彫り牛天神に奉納したと伝わっています。以後貧乏神は転じて「福の神」になって、人々から信奉されたそう。
なお、太田神社の現在の御祭神は、天鈿女命と猿田彦命。高木神社は宇迦御魂神。