鎌倉街道の餅井坂碑(横浜市南区別所)

2022.10.04[ 史跡・公園等 ]

鎌倉街道の餅井坂碑(横浜市南区別所)

鎌倉古道「もちい坂」下に設置された道標 鎌倉街道の餅井坂碑(横浜市南区別所)

保土ヶ谷と鎌倉を結ぶ道中にある「もちい坂」下に設置された道標「鎌倉街道の餅井坂碑」。

この道は、保土ヶ谷から弘明寺を通り、大岡(上大岡)の手前で内陸側に向かっていた鎌倉道のひとつ。大岡川沿いの低地から急坂を登ることになるのですが、その入口にあたる場所に「南無阿弥陀佛 百万遍供養塔」と刻まれた石碑が建っています。側面には「みなみ 最戸村 かまくら道/水かみ とつか道 水下 くめやうじ道」と書かれ、道標を兼ねていたようです。

案内板には、以下のように記されています。

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もちい坂は、保土ヶ谷と鎌倉を結ぶ鎌倉道の中間にありました。文明十八年(一四八六年)京都を出て諸国を遍歴した聖護院道興准三后は、その年の秋、浅草を出て新羽(現港北区)を過ぎ、かたひら(現保土ヶ谷区)、岩井の原(同上)を経てもちい坂にかかり、その紀行「巡国雑記」に次のように書いています。

もちゐ坂といへる所にて、俳諧の歌
行きつきて見れ共見えずもちゐ坂
ただ藁履に足をくはせて

歌の意
ようやくもちい坂に行きついて、その坂の名にあるもちを食えるかと思ったが、もちは見えず、ただはいているわらじが、足にくいこんでいるだけである。

もちい坂は道中の急坂で、その峠の近くには江戸時代には茶屋もあって、旅人はあたりの風景を楽しみながら一服しました。ここを過ぎたあと鎌倉道は次の附近を通っていました。

武相国境ー永谷天神ー日限地蔵ー舞岡ー下倉田ーすりこばち坂ー小菅ヶ谷ー新橋ー笠間ー離山(大船)ー建長寺前ー巨福呂坂ー鶴岡八幡宮横

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現在は横浜市の地域史跡に指定されているそうです。

最寄駅は、京浜急行本線・横浜市営地下鉄ブルーライン「上大岡」駅。徒歩約7・8分ほど。

案内板。

これが「百万遍供養塔」。

MAP

神奈川県横浜市南区別所3丁目5−5

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