都築郡郡衙跡(横浜市青葉区荏田西)
2025.06.19[ 史跡・公園等 ]
旧武蔵国都築郡の役所跡「都築郡郡衙跡(横浜市青葉区荏田西)」。この地域の名称から「長者原遺跡」とも呼ばれています。
昭和54〜56年にかけてこの地域の開発の際に行われた発掘調査により発見され、7世紀後半に造られた都筑郡の郡衙跡と考えられています。
横浜市教育委員会による案内板「長者原遺跡」には、以下のように記されています。
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この荏田猿田公園と周辺の台地上は、土地区画整理事業にともなって行なわれた昭和54~56年の発換調査によって、かつて古代の武蔵国都筑郡の役所である郡衙が存在していたことが明らかとなりました。
遺跡は東名高速道路をはさんで約200m四方の広範囲におよび、数10棟の掘立柱建物跡のほかに有礎式建物跡、溝、竪穴住居跡などが発見されました。西側の台地上では農民から徴収した稲穀などを収納した「正倉」、東側台地の中央は、正倉を管理し郡の政務をとった「郡庁」、その北東から南にかけての周辺は「正倉」や郡の役人(郡司)の宿舎である「館」がありました。また、遺跡内からは都筑郡を示す「都」の墨書士器のほかに様々な遺物が出土しました。
北側の谷すそを通る国道246号は、8世紀後半の頃は相模から武蔵にいたる東海道であったと考えられており、都筑郡が当時の幹線道路ぞいに設けられていたことを示しています。
平成4年10月
横浜市教育委員会
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ちなみに「跡」といっても、現在は「荏田猿田公園」として整備されており、この案内板以外には遺跡らしいものは何ひとつありません。また、上記に『遺跡は東名高速道路をはさんで』とある通り、発掘調査前に東名高速道路の工事によって半分は未調査のまま破壊されていました。まあ仕方ないことなのかもしれませんが、、横浜市はこういうところ、とても下手ですよね。
最寄駅は、東急田園都市線「江田」駅。
荏田猿田公園の南西側の入口。公園は3層になっており、一番上は遊具中心。ちなみに(写っていませんが)左側は東名高速の防音壁。
2層目は芝生広場。
一番下は、球技等もできそうな多目的ゾーン。
こちらは南側の公園入口。入ってすぐのところに案内板があります。
「長者原遺跡」案内板。
MAP
横浜市青葉区荏田西2丁目8−1